アメリカの人気プロレス団体World Wrestling Entertainment、通称WWEにかつて登場していたストーン・コールド・スティーブ・オースチンと言うレスラーについて、勝手に語りたくなったので今回は語りたいと思います。
単純に僕がストーン・コールドスティーブ・オースチンが大好きだからってだけの理由なんですけどね…ふとサッカー関係でWWEが話題に挙がった際に僕の中でボワっと「オースチンを語りたい!」と言う熱が出て来たので、Web論で残しておきます(笑)
先に語っておくとストーン・コールド・スティーブ・オースチンとはカリスマ的な人気を誇ったが、結局はプロレスが大好きなプロレス馬鹿だったのだ…。
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もくじ
WWEとは脚本とリアルが混在する戦場だ!
WWEは日本のプロレスとは違い「プロレスはエンターテイメントだ」と言うスタンスで運営されている。
だから本当はレスラー同士が本気で憎しみ合っていない事も”悪のオーナー”ビンス・マクマホンがリスペクトされている事も誰もが知っている。だが「こんなんやらせじゃんww」とか言うKYな奴はこのプロレスを見ていないのだ。
しかもその上でも命の危険に晒されているのも事実であり、実際事故で亡くなった選手も存在するし、ホテルで突然息を引き取ったトップレスラーだっている。
本当に様々な事故があるし、裏で何が起きているのかは関係者でもない限りはわからないが、命を賭けてレスラーが戦っているのは紛れも無いリアルなのだ。
実際今回語るストーン・コールド・スティーブ・オースチンもパイルドライバー(体を持ち上げられて上下逆さまにされて、頭から直下される技)をガチでかけられて首を壊している。
しかしその状態のまま試合をしっかり終えてボロボロの状態のままリングを下りた事があるぐらいだ。ストーンコールドも一歩間違えればこの時に死んでいただろう。
またこの首の怪我はストーン・コールド・スティーブ・オースチンのレスラー人生にずっとつきまとう事になる。
本気で殴りあっていなくても、観客を沸かせるエンターテイメントに命を張っている、それがWWEのプロレスラー達なのです。ちなみに現地ではWWEスーパースターと呼ぶ。
団体をブレイクさせた立役者の一人
ストーン・コールド・スティーブ・オースチンは別の団体から移籍してきた選手であり、WWEに来るまでは実はカリスマ的な人気を誇っていたわけではなかった。
だがWWEに来てから長髪からハゲてきていた頭をスキンヘッドに剃り上げ、リングネームを「ストーン・コールド・スティーブ・オースチン」に代えてから大ブレイクを果たす。
僕はこのブレイク後しか知らないが、オースチンのキャラクターの良さは一目でわかった。
誰も頼らず、誰にもビビらず、気に入らない奴は全員ぶっ飛ばす。決めポーズは相手に中指を立てる所であり、試合に勝つとビールをあけて口につけるのではなく口から離した状態で顔にぶっかけるように浴びながら飲むパフォーマンスをする。
観客はオースチンが相手にキレる瞬間を今か今かと待ちわびているような状態だ。
悪のオーナーであるビンス・マクマホンが毎度のようにオースチンに喧嘩を売って来る、最初は大人しく聞いてるオースチンがマイクを持って喋りだすと「どんな面白い事を言うのだろう?」と観客は耳を傾け、オースチンの馬鹿にした言葉を聞いて大喜び。上司であり社長であるビンスに中指を立て、決め技である「ストーンコールド・スタナー」をぶちかますと観客は大喜びする。それが恒例のパターンだった。
この「自由奔放に生き、上司をぶっ飛ばす」と言う構図がバカ受けしたそうで、この路線でストーン・コールド・スティーブ・オースチンは国民的なスーパースターになり、WWE(当時はWWF)はアメリカトップ団体にのし上がる。
ストーン・コールド・スティーブ・オースチンは古くからのファンに愛される名選手の一人になり、誰もが認める事実上のトップであり。WWEはオースチンを中心に展開されていた。脚本の中心にいたのは常にオースチンだった。
スポンサードリンクファンとプロレスを愛した馬鹿
「オースチンは怖い」そういうキャラクターだった。馬鹿な事も進んでやる選手だったが、特に人気絶頂期は「無頼男」的なキャラクターでもあったし、スキンヘッドのマッチョであるこのおっさんが道端で会えばどんなリアクションをするのか?実はこの辺りはアメリカに実際に見に行った人等が沢山記事にしている。
実は凄く優しい、という評価がほとんどだった。
ファンには必ず笑顔でサインに応じるし、レストランでたまたまオースチンを見かけた人が、小声で「ストーン・コールド…」って声をかけたらそちらを見て、悪そうな笑顔でニヤッと笑うと中指を立ててくれる。これはオースチンの決めポーズなのでファンとしては最高のファンサービスなのだ。当然本来は公共の場でやっちゃいけない事ですけども(笑)
またプロレス会場に行くと必ず最後まで残って、テレビ収録が終わった後も(WWEは生・録画中継が常にされます)リングに残って観客と接していたらしい。これは本人のDVDにも収録されており、ヒール(悪役)をやっていた時ですら笑顔で観客と接してファンサービスをしているシーンがある。
またプロレスは怪我をする物なので「人気が出たら他の仕事をやるべきだ」とも言われているものだ。だがオースチンはそれをせずにずっと現役にこだわり続けた。その結果オースチンの身体はどんどんボロボロになっていくのだが、それでもオースチンはドクターストップをかけられても続けていたそうだ。
そこまでプロレスを愛して現役にこだわった結果、最終的にオースチンは心臓発作を起こして死にかける事になるんですが…。
ザ・ロックとのライバル関係
オースチンがトップでいた頃、若手のエースとして「ザ・ロック」と言うレスラーが台頭、今でもハリウッドスターとしても活躍している「ドゥエイン・ジョンソン」の事なんですが、僕が見ていた当時では「オースチンvsロック」が最も盛り上がる試合でした。
昔からのスーパースターであるオースチンも衰えが見えていたし、ロックは抜群の身体能力を持つ若手のエースで、マイクパフォーマンスの上手さは群を抜いていました。
英語がわからない僕が字幕無しで見ても笑えるぐらい、喋り方も表現力も他の選手とはレベルが全く違いました。
オースチンが叩き上げなのと違い、ロックは親も祖父もプロレスラーのサラブレッドで、多分全体的な人気を見たら当時からロックの方が勝っていたのでは?と感じるぐらいでした。
ですがそのロックもリング上ではオースチンと確執を展開していても、リング外ではオースチンへのリスペクトを度々口にしていました。
ロックも傲慢なキャラクターを演じていたにも関わらず、野球のスター選手との対談で「ワンプレーで観客を沸かせるんだ」って話をふられた時に「俺やオースチンだってその点は負けてないよ。オースチンは目の動きや間の取り方だけで観客を熱狂させるんだ」的な事を楽しそうに語っていて「ロック良い奴過ぎワロタ」って思ったのを覚えています。
外から見ている僕としても「オースチンが引退する時はロックに敗れて引退して欲しい」と思っていました。
どうやらそれはオースチン自体も望んでいた事だったそうなんですが、当時WWEがプッシュしていた「ブロック・レスナー」と言う新人にいきなり負けてほしいと言う脚本を提案されて、オースチンはこれに激怒。
自伝で書かれていた内容を見ると「若手をプッシュするのは構わない。だがストーンコールドが敗れるのは最後であるべきだ。俺より先に他の奴等を倒して勝ちあがり、最後にストーンコールドが敗れるべきだ」と言う事だったそうで。
オースチンはこれによって団体をボイコットして懲戒解雇となりました…これがまたダサいっちゃダサいんだけど、そのダサい所を含めてストーンコールドが好きでしたね僕は…。
スポンサードリンクザ・ロックのカッコ良すぎるマイクパフォーマンス
この時のことはガチだったのですが(WWEはこうやってリアルと脚本をマジで混ぜてきてわけがわからんくなります)
オースチンが突然ホテルから消えた事、公演に出てくる事が無い事が発表され、当時映画を撮り終えて休養しているはずだったザ・ロックが突然リングに登場。
オースチンの穴埋めのために「今度の特番(月一で特番が開催されます)に俺も出るぞ!!」と高らかに宣言。
ストーン・コールド・スティーブ・オースチンと唯一人並ぶ人気を持つロックが映画撮影からリングに復帰するとの事で観客は大喜び、しかしロックはここでオースチンを批判します。
「ロッカーには出たくても出れない奴等がゴロゴロ順番待ちをしている。出たくない奴はたとえオースチンだろうと、さっさと家に帰れ!!!!」といつもの軽快なマイクパフォーマンスで語り出します。
それまで湧いていた観客が一斉にロックに大ブーイング、WWEではストーンコールドは常にトップを張ってきたレスラーであり一番人気だった。それは既にストーンコールドを超えたかも知れないロックですら触れてはいけない聖域だったのです。
本当の意味でのストーンコールド批判、それだけはロックですらしてはいけない事だった。
見ていた僕も両方が大好きだったけど、それでも辛くなりました「ロックがガチっぽくここまで言うとは…本当にオースチンは帰って来ないのだろうか?」そう思っていたらロックが人差し指を立ててこう言った。
「しかし…しかしだ!!……奴のホームはここ(リング)だ」
もうこの決め台詞で観客大熱狂でしたね!笑
引退試合前に倒れる
結局しばらく欠場してからストーンコールドはWWEに復帰、紆余曲折あったものの悪のオーナー(本当は良い人)ビンス・マクマホンと和解。ストーンコールドには長年の付き合いもあり甘かったらしいね…笑
オースチンは復帰したものの明らかに身体のキレも悪く、実際にはこの時点でとっくに身体はボロボロで限界ギリギリだったらしい。
そこで復帰したオースチンをベビー(正義)同じくまたもや映画から復帰したロックをヒール(悪役)にターンさせて対決させる事になった。
久々のオースチンvsロックの対戦が、一年の集大成として開かれる特番「レッスルマニア」で実現した。これが2003年の事だった。
既にドクターストップはかけられていたものの、オースチンは毎日大量のコーヒーとエナジードリンクを摂取して身体にムチを打っていたらしく、突然の心臓発作で病院に搬送されていたらしい。
この事は自伝で語られているが、当日の試合では「いつまた原因不明の発作が起こるかわからない」と言う恐怖と戦いながらの試合だったそうです。
明らかにおかしなロックとの引退試合
名目上はただの「オースチンvsロック」と言う試合でしたが、試合が始まると明らかにオースチンの動きが鈍く、ロックもどこかしら遠慮をしている空気があった。
オースチンが倒れていると追撃に行かず、ロックは侮辱するパフォーマンスを繰り返し、明らかに歯切れが悪かった。
視聴者としても「なんかおかしい」とは思いましたが、まさかオースチンがガチで死にかけているとは思わなかった。
それでも最後にはロックボトムを3発も食らわされる見せ場も頑張って作ってました。
ロックボトムの3発目の時、実はロックも凄い形相で技をかけており、この時点でロックは最後である事を知っていたと思われる。
この辺りについては動画で語られています。ちなみに僕ぐらいになるとこの動画で泣く。
何故かずっとロックがオースチンがいつも着てるベストを奪って着て、そのままずっと着っぱなしだったのは個人的には印象的でした…。
試合後に普通はやらない事なのに、ロックがオースチンに声かけてんのがまた泣けてね…。
オースチンがカッコイイと思う理由まとめ
- ハゲはカッコイイ※ただしイケメンに限る
- 私生活は結構ダサい(DVでも逮捕されたりしてます)
- ファンを凄く大事にしていた(超スーパースターの超金持ちにも関わらず)
- プロレス大好き過ぎて選手引退後も出てる
- 「みんなに十分に愛されたから、今度は嫌われたかったんだ」とヒール転向も自ら志願する(ただしファンがダサイオヤジキャラのストーンコールドを望まず失敗)
- 無理してでも人を喜ばせる事に、仕事を全うした姿勢
- 離婚した奥さんとの子供が見に来てくれた時に、すっげぇ嬉しそうにレスラーに「オイ!今日は俺の娘がくるんだ!」って言ってたシーンが凄い印象的だった。
要するにストーンコールドはカッコイイって事なんだよ!!笑
僕ちゃんの大好きなストーンコールド
皆が見てスカッとするからって理由で、いつ死ぬかわからないプロレスとか言う競技で身体をぶっ壊すなんて、冷静に見ればただの馬鹿だ。
ただの馬鹿だけど、そのプロレス業界の為にずっと頑張って、死ぬ寸前まで突っ走ったってのは本当にカッコイイと思う。ただし僕はストーンコールドとロックに魅せられて見ていた人間なので、二人がいなくなってからはほとんど見てないけどね…特に僕はオースチンが大好きだったからさ…。
今回はそんなどうでも良いお話でしたとさ。
いやぁやっぱりオースチンはカッコイイなぁ…。